Apple Musicを聞いて。ラジカセで録音した時代が懐かしい。

iTunesがバージョンアップされました。

3ヶ月無料なので、先日リリースされたApple Musicを試してみました。

 

日本のアーティストの曲が少ない等々のラインナップはともかく、

またひとつ時代が変わったなあという印象を受けました。

 

音楽メディアがレコード→CD→デジタルオーディオと変遷し、聴き放題の世の中になって音楽の手軽さがさらに増しました。

 

かつて私も若かりし頃、カセットテープにお気に入りの歌手の歌を録音して、ウォークマンで繰り返し聴いたものです。

 

もっと以前、子どもの頃にはテレビの前にラジカセを置いて

アニメの主題歌を録音していました。

録音中、「ご飯よー♪」と呼びかける母の無神経さに殺意を抱いたのも今は昔。

 

 

おっさんになってiTunesで曲を流しっぱなしになると、曲名なんかまった覚えられず

アルバムの曲順はもちろん、どの曲がどのアルバムかもほとんど覚えられなくなっていました。(覚える必要もないからですが。)

 

ついに聴き放題の時代となると、この手軽さたるや。

 

曲名はもちろん、アーティスト名も覚えなくなるんじゃないかと思いました。

 

現状では、自分の聞きたい曲を探すのが手間ですが、

きっとそのうちレコメンド機能で何とかなるんだと思います。

 

そうなると、自分の気分にベストマッチした曲を選曲してくれるのですから、

昔のように、音楽に「向き合う」といった感覚は皆無です。

文字通りBGMですね。

 

音楽家を職人から芸術家に変えたのはベートーヴェンだそうですが、

今度は芸術家から職人にまた戻るのかもしれませんね。

 

そんなことを書いていると、

昔見た、NHKスペシャルの「映像の世紀」という番組で、

ロシアの文豪、トルストイが登場するシーンを思い出しました。

 

放送していたのが20年前なので淡い記憶ですが、

確か駅かどっかにトルストイが降り立ち、子どもとか群衆に囲まれていたのが印象的な映像でした。

 

トルストイは1910年に亡くなっていますから、

当時は蓄音機も普及してないだろうし、映画館もほとんどないでしょうから

小説は娯楽の王様で、トルストイはスターだったんだろうなーと思いました。

 

さて、若者の音楽離れと言われて久しい現代。

娯楽界に君臨していた音楽も、時代の流れによってその座を譲っただけなのかなとも思います。

 

今も授業中にウォークマン聞いたりする学生いるんでしょうか。

きっとスマホでパズドラとかやってるんでしょうね。